アルコール・ハラスメント。
アルハラ、と略してしまえば軽い言葉になってしまいますが、これは現代においてはれっきとしたハラスメント行為であり、飲酒にまつわる人権侵害行為です。飲む人と飲まない人も、誘われる人も飲みに誘う人もできれば知っておきたいこと。幹事をすることが多い人などは尚更ですね。
人の命を奪ってしまうことすらあるアルコール・ハラスメント、少しこの場で勉強しておきましょう。
1.まず、アルコール・ハラスメントとは

飲酒における人権侵害行為全般。それらをアルコール・ハラスメント、またはアルハラといいます。
項目を挙げると、
■一.飲酒の強要
上下関係や部の伝統、集団によるはやしたてや罰ゲーム等といった形で、心理的にプレッシャーかけ、いやいやながらも飲まざるをえない状況に追い込むこと。
■二.イッキ行為
場を盛り上げるためという目的で、イッキ飲み行為を強要したり、早飲み競争を強いること。
■三.意図しての酔いつぶし
飲み会の中で、酔いつぶすことを目的として飲ませることは傷害行為にあたる。
■四.お酒を飲めない人への配慮を欠いた行為
アルコールを分解する機能が低い人の体質や意向を無視して飲酒を無理にすすめること、宴会にアルコールしか飲み物を用意しない、お酒に弱いこと・飲めないことをからかったり馬鹿にしたりすること。
■五.酔っぱらった上での迷惑行為
酔っぱらって絡む、セクハラをする、暴言を吐く、その他のひんしゅく行為。
こういった行為はすべてアルハラとして認められます。
2.あなたは本当にアルハラをしない?

本当にあなたは「自分は絶対にアルハラをしない!」言い切れるでしょうか?泥酔した時のことをほとんど覚えていない人だって多く存在します。そんな方々のために、アルハラ度をチェックする項目を用意してみました。
a.アルコールは飲む練習をすれば強くなると思っている
b.吐く人のためのバケツ、ビニール袋などを用意している
c.先輩から注がれたお酒を断らない
d.酔うことで生まれる連帯感もあると思う
e.飲み会ではある程度無理すれば楽しくなると思っている
f.飲みの席でのソフトドリンクなどありえない
g.寄った上でなら多少の暴言はアリだと思う
h.やっぱり女性にお酌してほしい
i.未成年者でも多少のお酒なら飲んでもいいと思う
j.場を盛り上げるためのイッキコールを何パターンか知っている
k.体質的にアルコールが飲めない人なんて言い訳だと思っている
l.男子たるもの飲めないなどという言い訳はしたくない
いかがでしょうか?
この中から一つでも当てはまる項目があれば、あなたはアルハラをしている可能性があります。そしてもちろん二つ、三つと当てはまっていけばそれだけアルハラをしている可能性は上がっていきます。
3.日本の法律的にも規制している

昭和36年に制定された法律に、「酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」というという項目があります。これは過度な飲酒が個人や社会に及ぼす害を規制する法律で、「すべて国民は、飲酒を強要する等の悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めなければならない。(第2条)」と規定されています。
つまり、アルハラだなんだという以前に、無理やり人にお酒を勧めることは法律でも禁止されているということです。昨今騒がれている問題ではない、ということですね。
4.アルハラについて気を付けることはたった4点

ですので、お酒に関するマナーは大前提として守りましょう。といっても難しいことではありません。アルハラについて、意識することはたった4点です。
■飲めない体質の人に配慮しよう
アルコール分を体内で分解するスピードや能力にはレッキとした個人差があります。「男なら根性で飲める」は迷信です。弱い、と自覚している人に無理にすすめてはいけません。
■女性に配慮しよう
個人差はありますが、体の小さい女性の方が一般的には酔いやすい傾向にあります。飲ませ過ぎには注意しましょう。
■迷惑行為はやめよう
酔って暴言を吐く、周囲に人に絡む、などはもはや身内だけの問題ですらなくなってきます。特に電車やバスなどの迷惑行為は絶対にやめましょう。
■飲む場所には気を付けよう
電車やバス、駅や公園など、ふさわしくない場所での大飲は控えましょう。
以上4つには是得体に気を付けましょう。
5.まとめ

結局、アルコール・ハラスメントだどうだ、という話よりも、集まっているみんなが美味しく、楽しく飲めなければ飲み会などする意味もありません。
自分だけが楽しむのではなく、集まったみんなが楽しめるよう、みんなで気を配りましょう。