さて、場所さえあればもれなくまぁまぁ（笑）盛り上がるDVD鑑賞会。「エンタメもいいし感動もいいけど、なんかこう深く記憶に残るような、しっかりしたドラマを観たいんだよね……」
なんておっしゃる方に向け、今回は「名画編」と銘打ってまとめてみました。心に余韻を残す、そして明日から“よりよく生きること”なんて意識高いことをつい考えてしまいそうになる名画のあれこれ、お楽しみください。
1．ゴッドファーザー
ドラマ性：★★★★★
全三部作、そして三部作なのに合計上演時間が9時間を超えるという重厚な人間ドラマです。
シチリア島のマフィア一家の栄枯盛衰の物語なのですが、なにせその人間性について、マフィア一家の愛と悲劇について深くしっかりと描かれています。
演技、撮影、音楽、脚本、編集などどこを切り取っても文句のつけようがない、ヒューマンドラマの最高傑作だと思います。
どんな哲学書や啓発本を読むよりも、このゴッドファーザー三部作を観る方が人生指南として役立つ、というファンも世界中に多く存在します。
9時間。がんばってイッキ見しましょう。すごく価値のある時間の使い方だと思います。
2．タイタニック
せつなさ：★★★★★
言わずと知れた、1912年に起こったタイタニック号の沈没事件を元に描かれた恋愛物語。……と書いてしまえばそれまでですが、うっとりしてしまうあの有名なシーン（船の舳先で後ろから抱きしめるヤツ）とかに隠れて、これまた人のときめきや後悔、決別と成長、といった要素がきっちりと描かれた名作です。
ここに名を連ねる映画に入れてしまうのはどうか、とも思いますが、それでも製作費2億8千6百万ドル、全米での興行収入6億5千8百万ドル、日本での興行収入262億円というメガヒット映画。それだけ多くの方の心をつかんだ映画なのです。
ちなみに沈没シーンに迫力を出すため、監督のジェームズ・キャメロンは269ｍの実物大のタイタニック号を制作したそうです。
そりゃお金もかかりますよね。
3．猿の惑星
衝撃度：★★★★★
そのラストシーンの衝撃度で、映画史に燦然と輝く「猿の惑星」。
地球を遠く離れた宇宙船。とあるトラブルに見舞われ、不時着した地球に似た惑星ではなんと……猿が人間を支配していた？！というのが基本のストーリー。
昨今リブート作品が多く出て「サーガ化」いちじるしい本作ですが、しつこいようですがそのラストシーンの凄さで1968年公開の第一作目を超えるものはないでしょう。
絶望感と哀しさと恐怖、そして誰を恨んでいいかわからないもどかしさ、人間の愚かさ。
後味の良い映画ではありませんが、「ああ、深い映画を観たなあ……」というしみじみした気持ちにさせてくれる映画です。
4．スタンド・バイ・ミー
ノスタルジック度：★★★★★
少年期に誰もが体験する、ひと夏の冒険の物語。
アメリカの片田舎町キャッスルロックに住む、それぞれ心に傷を持つ少年四人。ほんの好奇心と「英雄になりたい」という想いから四人は、線路づたいに死体探しの旅に出るが……。
ロードムービー、青春映画の傑作です。ストーリーに大きな波はなく、淡々と進みます。冒険を終えた四人は、友情を確かめつつ、それぞれ別の人生を歩みます。
そして最後に、大人になった主人公ゴーディは、あの冒険を振り返って思います。
「あの頃の、あの仲間達を超える友達にその後も出会えていない」と。
なんでしょう、この感じ。「感動したー！」というわかりやすい感情ではなく、余韻のようなものが残る秀作です。
5．ローガン
重厚度：★★★★★
上の四本はもはやレジェンド扱いされる往年の名作ばかりですが、この一本「ローガン」に関しては比較的新作です。というか最新作ですね。2017年2月公開ですから。
ローガンは、アメコミ映画の大ヒットシリーズ「X-MEN」に出てくるウルヴァリンのことです。あの狼男みたいな三本爪のマッチョメンですね。
そのローガンが主役の、いわゆるX-MENのスピンオフ作品なのではありますが、若者向けのアクション娯楽映画という雰囲気のX-MENシリーズとは全然違いますね。何せ無敵のヒーローであるはずのローガンが、年老いて弱った姿で出てきますし。かつてのリーダー・プロフェッサーXを介護しているシーンとかもありますし。
描かれているのは、なんともやるせなくてひどい世界です。ここではアメリカという国の価値観や負の部分、社会情勢なども描かれています。
過去にその不死身のパワーでアメリカを守るため戦ったローガン。彼の心に今も正義はあるんでしょうか。落ちるところまで落ちたローガンが行き着く先とは。
人生に深い思慮を与えてくれること間違いなしの名画です。
あ、X-MEN的なアクションを期待してみると大肩透かしを食うのでご注意を（笑）。
